健康保険法:「高額療養費」の計算例

健康保険法:「高額療養費」の計算例

「健康保険法 高額療養費 計算例」について
※ 高額療養費に関しては、平成18年に健康保険法の改正があり、このページでは、健康保険法改正後の数字で解説しています(平成18年10月1日から適用)。

 

◆ (計算例1)たとえば、上位所得者が病気で入院し、1ヶ月の治療費を支払ったところ、自己負担3割の金額が30万円になったとします。この場合、自己負担額の30万円はいったん支払います。つまり、自腹を切るわけです。しかし、自己負担限度額を超えた部分については、後日戻ってきます(翌月か翌々月あたりに)。
そこで、ここで問題になるのは、自己負担限度額がいくらになるか、という点です。計算例は以下のようになります。

 

<計算式>150,000円+(医療費-500,000円)×1%

 

この計算式に当てはめてみると、

 

150,000円+(1,000,000円−500,000円)×1%
=150,000円+500,000円×1%
=150,000円+5,000円
=155,000円
※ 医療費が1,000,000円というのは、自己負担が3割で300,000円なので、逆算すると、10割だと1,000,000円になるわけです。

 

つまり、155,000円が高額療養費の自己負担限度額になります。

 

ということは、「自己負担は155,000円まででいいですよ」ということになりますから、

 

すでに支払っている300,000万円から自己負担限度額155,000円を差し引いた金額、145,000円が、後日戻ってくるわけです。

 

この人が1ヶ月に負担した実質的な自己負担額は、155,000円になる、ということになります。

 

◆ (計算例2)つぎに、一般的なサラリーマンが病気で入院し、1ヶ月の治療費を支払ったところ、自己負担3割の金額が、やはり30万円になったとします。この場合の計算例は、以下の通りです。

 

<計算式>80,100円+(医療費-267,000円)×1%

 

この計算式に当てはめてみると、

 

80,100円+(1,000,000円−267,000円)×1%
=80,100円+733,000円×1%
=80,100円+7,330円
=87,430円

 

高額療養費の自己負担限度額は、87,430円になります。

 

すると、このサラリーマンの自己負担は、87,430円まででいいということになるので、すでに支払っている300,000円から87,430円を差し引くと、212,570円が、後日戻ってくるということになります。

 

 

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◆ 健康保険法の高額療養費とは、1ヶ月に医療機関等に支払った自己負担額が、あらかじめ定められている自己負担限度額を超えたときに、請求により、払い戻される制度です。

 

◆ 現在、国民健康保険も健康保険も、自己負担3割になっています。ですから、たとえば、ある月に病院にかかり、20日間ほど通院し、この20日の通院にかかった医療費の自己負担額の合計が10数万円になったりしたら、これはもう、たいへんな出費になります。そこで、自己負担限度額(数万円)を超えた部分に関しては、後から払い戻してもらえる、というのがこの高額療養費制度です。ただし、いったんは、すべて自分で支払う必要があります。つまり、自己負担限度額を超える額であっても、まずは自腹を切っておいて、後から、超えた分を払い戻してもらうわけです。

 

◆ みなさんは、「前置きはいいから、その自己負担限度額とやらがいくらなのか、それを早く教えてくれ!!」とおっしゃりたいでしょう。そうです。その通りなのですが、これがまた、とても複雑な制度設計になっていて、かなり厄介な代物なのです。

 

◆ まず、「70歳以上の人」と「70歳未満の人」に区分されます。

 

◆ 次に、それぞれに対して、さらに3つの所得区分に分けられます。つまり、「上位所得者」と「一般所得者」と「低所得者」の3区分です。「上位所得者」とは、標準報酬月額が53万円以上の人とその被扶養者です。「低所得者」とは、被保険者が市区町村税の非課税者、被保険者または被扶養者が自己負担限度額の低い高額療養費の支給があれば生活保護の被保護者とならない人です。「一般所得者」とは、以上2つの区分の中間の人です。

 

◆ ここでは、70歳未満の人の自己負担限度額についてみていきます。

所得区分 改正前 改正後(10月から)
上位所得者 139,800円+(医療費-466,000円)×1%

[77,700円]

150,000円+(医療費-500,000円)×1%

[83,400円]

一般 72,300円+(医療費-241,000円)×1%

[40,200円]

80,100円+(医療費-267,000円)×1%

[44,400円]

低所得者 35,400円

[24,600円]

35,400円

[24,600円]

 

 

 

※ 上図の金額は、1か月単位の金額で、被保険者1人のときの世帯単位の合算限度額です。

 

※ 通常は、計算式に「医療費」を当てはめて計算します。しかし、過去12か月間に3か月以上高額療養費の支給をうけ、4か月目以降の支給に該当する場合には、これを「多数該当」と呼び、この場合は、下の[ ]内の金額が自己負担限度額になります。

 

※ 高額療養費として計算する場合に合算できるのは、同一月に同一病院で支払った自己負担額が21,000円以上のものに限ります。

 

 

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